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「び~だ」の壁

Wall of Vida

制作期間(公開制作・市民参加): 2023年8月~12月(現在も継続設置・公開中)

フリースクール「び~だ」居室の壁、静岡県浜松市

主催: つくるぞうのへや

協力: デモクラティックスクールび~だ

支援: アーツカウンシル静岡

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浜松市冨塚にある「デモクラティックスクール び~だ」は 6 歳から18 歳の子ども達が通うフリースクールです。

平屋建ての建物、部屋の角にあたる二面の壁を使って作品制作を行いました。

週に 2 回ペースで約 5 カ月間、メンバーの子ども達や保護者の方々、代表の方 などとコミュニケーションをとりながら、ゆっくり制作するレジデンススタイル。既存壁の保護、色塗りのカラー調色や塗りの順番、削りのテーマなど、この場所を使う人達と相談しながら進めました。

子ども達は積極的に手伝ってくれたり、好きな作業の時になると顔を出してくれたり、横眼で見ながらも作業には参加しなかったり。

ひとそれぞれ、様々な距離での関わり方をしてくれました。

現在も削れる状態のままにして壁は常設してあります。

ここへ通う子ども達は気が向いた時に、自由に削れるのでこれからも図像は増えてゆきます。

これまでで最も「生活」に近い壁作品になりました。

制作中の様子を記したブログはこちら

「び~だ(Vida)」はスペイン語です。

英語の Life にあたる言葉で、「命、存在、人生、暮らし」といった意味があります。

一人一人のこれらを尊重し合う環境の中で、安心して学び、自分について知っていきます。

子どもの存在、命を 100%信頼することがび~だの根底に流れています。

そこから全てが始 まります。

−「デモクラティックスクール び~だ」ウェブサイトより

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現存壁の保護のため、ベニヤ板を壁 2 面に貼る作業からスタート。

端のデコボコの調整 やコンセントカバー部を切り出したりしました。

細かな作業が好きな中学生が毎回進んで手伝ってくれました。

三色の色を相談して決めました。

好きな色をそれぞれ挙げてもらいながら、組合せを考えて、まずは命の赤、そのあと黄色、緑と進みます。

三色の色彩の調子も考えながら進めます。

この配色は偶然ですが、び~だ(Vida)がスペイン語由来もあり、明るく光にみちて鮮やかな地中海の風景が想像されます。

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一色目の赤を合計6回、塗り重ねます。

三色とも各6回重ねます。

塗り替えの初日は目にも新鮮ですが、同じ色を何度も繰り返して塗るので、見た目にはあまり変わらない作業の日もあります。

一色目から二色目、二色目から三色目とカラーチェンジをする日は、落書きOKの日にしました。

次に塗り重ねる色と同じ色のペンキで描くのでいずれ消えてゆきます。

その解放感からか、たくさんの落書きで賑やかな壁になりました。

落書きしたその日のうちに次の色で覆われるので数時間だけ現れた、饒舌なのに儚い落書きです。

三色塗り終わったら、パテを盛って色壁を保護し、最後に白ペンキで上塗りします。

一見、普通の白壁になりました。

小さな板で道具の扱いを練習した後に、いよいよ壁を削ります。

テーマは「あったらいいなの世界」好きな生き物や模様、想像の何かを削りだしていきます。

厳格なルールは 設けず、既存のキャラクター模倣でなければ何でも OK です。

それぞれが好きなペースで好きなだけ削りました。

削る深さによってカラーが変わるので丁寧に緻密に時間をかけた三色リンゴも出現しました。

誰かの削りだした図像からインスピレーションを受け て次の図像へと繋がるケースもあります。

壁はこのまま常設されています。

メンバーは気が向いたら削りを足すこともできます。

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