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ツインギャラリー蔵

「脈打つ指先」

展示期間: 2024 年 4 月 20 日~ 5 月 6 日

ツインギャラリー蔵 リニューアルオープン企画展示
静岡県浜松市

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織物業の蔵を改装したギャラリーのリニューアルオープン企画にて展示しました。三名の作家からなるグループ展。

この蔵の壁は土、木板、トタン、壁紙、塗料と時代によって様々な材料で出来ていました。

変化し続ける建物の表層と、そこで生活を刻む人の時間を想像して色を形にしてゆきました。

私の母は絵描きで、油絵具の匂いと絵具で汚れた壁を見て育ちました。

蔵の中にいる四代の女性達に接するうち、母の作品に登場してもらおうと初めて思いました。

今回使用した色材は三つ、クレヨンは動く色、羊毛は包む色、ペンキは固定する色でした。

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​2階

蔵の二階にはほの暗い空間が広がっていました。

「展示用の照明は使わず窓から入る自然光だけで」と企画初期から条件が決まっていて

それは蔵本来の姿を見せたいという意図がありました。

二階の床に使われた木目調のビニールクロスは鈍い光を放ち、とても強い素材でした。

今でこそ「無垢木フローリングの代替え」といったイミテーションの印象が強くB級的に扱われる床材料ですが、

ここに敷かれた当時は最先端の新素材で、軽くて水にも強くてと、 夢のある素材だったのだろうと想像しました。

「遊ぼうよ」

クレヨン・パラフィン・テグス・

アクリル板・羊毛・金網・塩化ビニルシート

「小さき黄色をどうぞ」

クレヨン・パラフィン・テグス

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​階段

階段下と階段脇、階層を繋ぐ空間は過去と現在とが混在する様態でした。

壁板を取り除き内側のトタン板をあえて剥き出しに見せているたたきスペース、

続く階段脇にはリニューアル工事ではがす筈だった壁紙が偶然にも残っています。

時代もさまざまな壁とその内側が見渡せるこれらの場所には

元あった素材をそのまま利用あるいは借用した作品群を置きました。

 

トタン板の壁面には私自身の母の作品を持ち込みました。

蔵の歴史を聞き取る中、四世代の女性達が見え隠れする事が主な理由ですが、

私自身の変化のタイミングでもありました。

母は油絵具を金属に刷り込んで絵肌を作っていますが、

私は金属や塩ビ板にクレヨンを流し、かろうじて留めています。強固な絵肌と流れる表面です。

「ビリリと破ればいい」

ペンキ・パテ・ギャラリー蔵の壁紙・

クレヨン・パラフィン

「継ぐ、しがみつく色」

母陽子作 アルミ板・油絵具 /

娘とも子作 塩化ビニルシート・クレヨン・パラフィン・アルミ針金

「流れ出す色と未来へ 01~04」

金属板・クレヨン・パラフィン

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​1階

1 階ギャラリーの白い壁に配置した作品群は、今回の展示にまつわる各要素を少しずつ抽出したものになりました。

作品展示をフラットに見せるための白い壁。

それが故に生活とは切り離された白い壁。

ギャラリーや美術館の壁のもつ役割や存在について考える作品群です。

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パネル上部の1点
「鴨江の壁 204 号室(残存一部)」

2016 年 

200×200 

ペンキ・パテ

パネル左 
「ギャラリー蔵 サンルームの光」

530×435 

ペンキ・パテ

パネル右
「ギャラリー蔵 壁のシミ」

330×330

ペンキ・パテ

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「彫刻と絵 色の行方」

 クレヨン・パラフィン・紙ヤスリ

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「黄色あるいは青の

 羊毛・亀甲金網

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「石を包む」

 羊毛・ギャラリー蔵の石

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「流されてゆこう」

 トレーシングペーパー・クレヨン・

パラフィン/ チラシ・ペンキ・パテ

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​壁プロジェクト「探す、刻む、包みこむ」

ギャラリーの壁をつくろう

制作期間(公開制作・参加型) :2024 年 2 月 26 日~ 5月6 日

展示期間 2024年 :4 月20 日~ 7 月5 日

原状復帰作業(埋戻し): 7 月6 日~ 11 日

2024 年 2月下旬より公開制作をしながら下地をつくり、

会期中に訪れた人々は、彫刻刀を使い壁に各々の線を削りだすことが出来ます。

誰かの終点が誰かの始点となり、刻まれた線は繋がり、やがて埋め戻されます。

来場者によって刻まれた線は、目には見えない形でギャラリーを内側から包み、

この場所を訪れる人々をそっと見守り続ける壁として在り続けます。

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